東洋大姫路といえば「野球の名門校」として名を知られています。けれども、保護者や受験生が気になるのは「学力面ではどの位置にあるのか」という点ではないでしょうか。
強豪校だからこそ「スポーツ推薦だけで成り立っているのでは?」と感じる方も少なくありません。実際には学科別に偏差値の差があり、進学実績や入試倍率にも特徴が見られます。
本記事では、最新の偏差値データを整理し、県内ライバル校との比較を交えて解説します。さらに「文武両道を支える仕組み」にも迫ります。読み終えるころには、東洋大姫路の真の学力ポジションを数字で客観的に理解できるはずです。
目次
東洋大学附属姫路高校の偏差値(学科別・最新データ)

普通科SコースとTコース:偏差値早見
東洋大学附属姫路高校には、大きく分けてSコースとTコースの2つの学科コースがあります。
最新の偏差値データ(2025年度版)では、以下のようになっています。
- 普通科Sコース:偏差値59〜60前後
→ 難関大学進学を意識した特進型コース。模試上位層の合格者が多く、学力的にも兵庫県内の私立校で上位に位置します。国公立大や難関私大を目指す層が集まっており、進学実績の中心を担っています。 - 普通科Tコース:偏差値48前後
→ 幅広い学力層が対象で、スポーツや部活動に力を入れたい生徒にも人気があります。基礎学力を定着させながら、進学やキャリア教育にも対応できる仕組みになっており、「文武両道」を目指す生徒に適したコースです。
このように、同じ学校内でもSは進学重視、Tは部活動との両立重視という性格の違いが数字に表れています。特にSコースは60近い偏差値帯に位置するため、公立進学校を第一志望にしつつ、併願先として選ばれるケースが多いのが特徴です。
偏差値の出典元と注意点
ここで示した偏差値は、主に「みんなの高校情報」や「高校偏差値.net」などの受験情報ポータルが公開しているデータを基にしています。これらは大手模試会社が実施する学力テストの受験者データを集計し、各校の合格ラインを推定したものです。
ただし、注意すべきは以下の点です。
- 模試の種類や母集団が異なるため、同じ学校でもサイトによって数値に差が出る。
- 偏差値は毎年の受験状況や倍率によって変動する。
- 偏差値は「合格可能性の目安」であり、学校の教育の質や学習環境を直接示すものではない。
したがって、偏差値は学校選びの参考材料のひとつとして利用し、必ず学校説明会や公式発表される進学実績なども合わせて確認することが大切です。
他校と比較した東洋大姫路の“学力ポジション”

兵庫県内および私立内の偏差値ランキング
最新のデータによると、東洋大学附属姫路高校は県内387校のうち75位にランクインしており、私立高校だけで見ると122校中19位という位置づけです。
つまり、兵庫県内全体で見ると「中堅上位クラス」にあたり、私立の中では「上位20%以内」に含まれています。特に普通科Sコースは難関大学を目指す進学層が集まり、偏差値59〜60という数字からも、県内私立の中で確実に進学実績を伸ばせる土台があることが分かります。
一方でTコースは偏差値48とやや低めであり、県内では中堅レベルの位置づけです。ただし、学力層が幅広いため、スポーツや課外活動と学習をバランス良く取り組みたい層から支持されています。
高校偏差値.net に見るS・Tコースの偏差値詳細と全国・県順位
高校偏差値.netでは、SコースとTコースをそれぞれ独立して順位化しています。
- Sコース:県内72位/395校、私立18位/125校、全国1418位/約1万校中
- Tコース:県内210位/395校、私立69位/125校、全国4394位/約1万校中
この数字を見ると、Sコースは県内でも「上位20%付近」に位置しており、全国規模で見ても中堅上位クラスに入ります。逆にTコースは全国的に見ても標準層〜やや下のレンジで、合格可能性の幅が広いことが分かります。
つまり、同じ東洋大姫路でも「S=進学校としての顔」「T=幅広い生徒層に対応する門戸」という二重の性格を持っているのが特徴です。
他校とのレベル比較(同偏差値帯の高校)
より具体的にイメージするため、偏差値帯が近い高校を比較してみます。
- Sコース(59〜60)と近い高校
- 私立:報徳学園(48〜62)、啓明学院(61)、神戸国際大学附属(58〜62)
- 公立:姫路飾西(60〜62)、龍野(59〜66)
- Tコース(48)と近い高校
- 私立:芦屋学園(47〜50)、神戸野田(47〜50)
- 公立:伊丹西(47〜49)、三木東(47〜48)
こうした比較から、東洋大姫路Sコースは「報徳学園の上位クラスや公立進学校の下位レンジと競合」し、Tコースは「地域の中堅校や私立標準コース」と同じ層に位置していることが分かります。
受験戦略としては、Sを第一志望に据えた場合は上位公立の併願先として、Tを志望する場合はスポーツとの両立を重視しつつ安全圏での合格を狙う選択肢として使われるケースが多いです。
入試倍率と合格難易度の視点

入試倍率の実態(一般・推薦)
東洋大学附属姫路高校の入試は、学科ごとに倍率の傾向が異なります。直近の公開データでは、Sコースが約1.05〜1.10倍前後、Tコースが1.00倍前後で推移しています。つまり、Sコースは「定員を少し上回る競争率」があり、Tコースは「ほぼ全員が合格できる水準」という見え方です。
また、2025年度の出願状況を見ると、Sコースは募集定員70名に対し志願者1,700名以上、Tコースは定員240名に対し志願者2,000名超と公表されており、人気の高さがうかがえます。数字だけ見ると倍率は大きく見えますが、これは一次募集・併願を含めた延べ志願者数であり、実際の最終倍率は1倍台前半に落ち着くのが一般的です。
推薦入試については、S・Tいずれも倍率1.0〜1.1倍程度と大きな差はなく、一定の基準を満たせば合格しやすい傾向にあります。ただし、Sコースは推薦枠の中でも評定や模試成績を重視するため、内申が安定していない場合は一般入試を見据えて準備を進めることが必要です。
合格者偏差値上位割合(合格難易度の目安)
合格難易度を測る指標として「合格者が全体の偏差値分布のどの層に属しているか」が参考になります。公開されている数値では、
- Sコース:上位15〜16%の学力層(およそ6人に1人)
- Tコース:上位55〜60%の学力層(およそ2人に1人)
という結果になっています。つまり、Sコースは県内の模試受験者の中でもかなり学力上位に位置する生徒が中心であり、難関国公立大や難関私大を視野に入れた受験層が集まることを意味します。Tコースはそれに比べると幅広い学力層から合格しており、基礎学力をしっかり固めていれば合格可能性は高いといえるでしょう。
このように「倍率」と「合格者偏差値層」をあわせて見ることで、単なる倍率の高さだけでは分からない実際の入試難易度を客観的に把握できます。受験生は、自分の模試の位置づけがS・Tどちらに近いかを確認し、戦略を立てることが大切です。
東洋大姫路と県内ライバル校の比較

「東洋大姫路 偏差値」で検索する人の多くが気になるのは、「ライバル校と比べてどの位置にあるのか」という点です。ここでは、同じく私立で人気の高い報徳学園、そして県内公立進学校と並べて比較してみます。
報徳学園など近隣人気校の偏差値帯と比較
東洋大姫路と報徳学園は、どちらも兵庫県を代表する私立の有名校です。特に野球部の強豪として全国的に知られていますが、学力面でのポジションも気になるところです。
以下の表にまとめると、両校の特徴がより分かりやすくなります。
学校・コース | 偏差値帯 | 特徴 | 受験での立ち位置 |
---|---|---|---|
東洋大姫路 Sコース | 59〜60前後 | 難関私大・国公立大を目指す特進型。進学重視。 | 報徳学園の中堅〜上位クラスと同水準 |
東洋大姫路 Tコース | 48前後 | 幅広い層に対応。部活動との両立に強み。 | 報徳学園の標準コースと同レベル |
報徳学園 上位クラス | 62前後 | 最難関国公立も狙える。実績豊富。 | 東洋大姫路Sより一段上の水準 |
報徳学園 標準クラス | 48〜55前後 | 中堅私大や専門学校を目指す。部活との両立も可能。 | 東洋大姫路Tと同じレベル感 |
この比較から分かるのは、東洋大姫路S=報徳中堅〜上位、T=報徳標準帯という関係です。特にSコースは、進学を重視する家庭が「報徳とどちらにするか」で迷うケースが多いと言えます。
公立進学校との比較
次に、公立進学校との比較です。兵庫県西部には偏差値60を超える進学校が複数存在し、受験戦略を考える上で「公立と私立のどちらを第一にするか」は大きなポイントになります。
学校 | 偏差値帯 | 特徴 | 東洋大姫路との比較 |
---|---|---|---|
姫路東 | 67前後 | 県西部屈指の進学校。国公立大合格実績多数。 | 東洋大姫路Sより大きく上位 |
姫路飾西 | 60〜62 | 公立上位進学校。進学と部活のバランス良好。 | 東洋大姫路Sと同等〜やや上 |
市立姫路 | 60〜63 | 市内トップ進学校。安定した進学実績。 | 東洋大姫路Sよりやや上 |
龍野 | 59〜66 | 偏差値幅が広く、国公立から私大まで進路多様。 | 東洋大姫路Sと下位レンジが同水準 |
伊丹西・三木東など中堅公立 | 47〜49 | 基礎学力を重視。幅広い進路選択あり。 | 東洋大姫路Tと同等レベル |
この比較から見えるのは、東洋大姫路S=公立進学校の下位〜中堅上位と同水準であり、併願戦略でよく組み合わせられるという点です。一方でTコースは、中堅公立とほぼ同じレベルに位置し、「安全な私立併願」としての役割を果たしています。
比較からのまとめ
- 報徳学園と比較 → Sコースは中堅〜上位クラスと同等、Tは標準クラスと同等。
- 公立進学校と比較 → Sコースは公立進学校の下位レンジと同等、Tコースは中堅公立と同等。
つまり東洋大姫路は、「S=進学重視の安全網」「T=部活動と両立できる安定枠」として、多くの受験生・保護者に選ばれているのです。
野球名門校としての学力両立の背景

部活動の実績と学力レベルのギャップ
東洋大姫路といえば、まず思い浮かぶのは甲子園の常連校という顔です。過去には夏の甲子園で全国制覇を達成した実績もあり、近年でも兵庫県代表として甲子園に出場し続けています。特に長谷川滋利さん(元メジャーリーガー)や松葉貴大さん(プロ野球選手)など、著名なOBを輩出していることからも、その野球部の存在感は圧倒的です。
一方で、スポーツに特化しているイメージが強いものの、実際の偏差値データを見るとSコースは59〜60前後、Tコースは48前後という学力水準を確保しています。つまり、「野球名門=学力は低い」という一般的なイメージとは異なり、学力面でも一定以上のレベルを維持しているのです。特にSコースでは、国公立大学や難関私立大学を目指す進学実績が積み上がっており、数字と結果の両面から「文武両道」を実現しているといえます。
このギャップは、多くの受験生や保護者にとって安心材料となり、「スポーツに力を入れながらも、進学の道を閉ざさない学校」として評価される要因になっています。
教育カリキュラムの特徴と学力支援体制
東洋大姫路が文武両道を可能にしている背景には、教育カリキュラムの工夫と支援体制があります。
- 多様なコース制
- Sコース:難関国公立や難関私大を目指す特進型。高度な学習プログラムを取り入れ、進学実績を積み上げています。
- Tコース:基礎学力を固めつつ、部活動や課外活動との両立を重視。スポーツ推薦や幅広い進路に対応できる柔軟性が特徴です。
- 独自の教育方針
学校は「哲学教育」「国際教育」「キャリア教育」を柱に掲げています。哲学教育では「自分で考える力」を育成し、国際教育では海外研修や留学制度を用意。キャリア教育では大学進学指導と職業体験の両面から、生徒一人ひとりの将来設計をサポートしています。 - 進学実績の裏づけ
2025年度には京都大学2名、大阪大学2名、九州大学2名など、難関国立大学への合格者を輩出しています。これはSコースでの学習成果を反映したものであり、単なる数字以上に「進学校としての顔」を示すものです。 - 部活動との両立を支える仕組み
部活動に打ち込む生徒に対しても、補習授業や放課後サポートを導入しています。大会遠征などで学習時間が削られても、学校側のフォロー体制があるため、一定の学力を維持できるのです。
このように、東洋大姫路は「野球の名門校」という顔に加えて、学力の保証と進学支援を両立できる学校であることが分かります。だからこそ、「スポーツを続けたいけれど学力面も心配…」という受験生や保護者にとって、東洋大姫路は魅力的な選択肢となっているのです。
まとめ
東洋大学附属姫路高校は、「野球の名門」として全国にその名を知られていますが、学力面においても確かな実力を持つ学校です。最新のデータによれば、Sコースは偏差値59〜60前後、Tコースは48前後と明確に2つの学力層を持ち、進学希望者と部活動重視層の双方に応える仕組みが整っています。
県内ランキングでは全体で75位/387校、私立内で19位/122校に位置しており、決して「スポーツだけの学校」ではありません。報徳学園や姫路飾西といったライバル校と比べても、Sコースは中堅上位に十分食い込んでおり、進学の可能性を広げるポジションにあるといえます。一方、Tコースは中堅公立高校と同水準にあたり、学力面で安心できる進路確保を望む層に適した選択肢となっています。
また、入試倍率はSコースで1.05〜1.10倍、Tコースは1.00倍前後と比較的落ち着いていますが、Sは上位15%前後の学力層が合格ラインとされており、一定の学力水準を必要とします。Tは幅広い層が対象ですが、スポーツや課外活動をしながら基礎学力を維持できる体制が整っている点が強みです。
さらに、教育カリキュラムでは「哲学教育」「国際教育」「キャリア教育」を軸に据え、2025年度には京都大学・大阪大学・九州大学といった難関国立大学への合格者を輩出。これは単なる進学実績ではなく、スポーツと学力の両立が実際に成果につながっている証拠でもあります。
まとめると、東洋大姫路は「野球で全国を狙える一方で、学力面でも中堅上位に位置し、進学実績を持つ学校」です。
受験生にとっては、Sコース=進学重視の特進枠、Tコース=部活動と学習をバランスよく両立する安定枠という二つの選択肢が用意されていることが最大の魅力です。
進学と部活動、どちらを重視するにせよ、東洋大姫路は「どちらも諦めたくない」という生徒にとって、安心して挑戦できる高校といえるでしょう。
情報元URL一覧(出典):
https://www.minkou.jp/hischool/school/deviation/3019/
https://www.minkou.jp/hischool/school/3019/
https://xn--swqwd788bm2jy17d.net/28_00118.php
https://www.toyo.ac.jp/himeji/
https://www.toyo.ac.jp/himeji/news/news_prompt_reportsh2025.html
https://www.toyo.ac.jp/himeji/adinfo_sh/addata/
https://www.toyo.ac.jp/himeji/cg_sh/jisseki/
https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/koukou/28/28545.html
https://koukounyushi.net/kinki/hyogo/highschool/area04/440toyodaigakufuzokuhimeji/
https://www.zyuken.net/school_page/12820131321/bbs_query/%E5%81%8F%E5%B7%AE%E5%80%A4/