2025年5月24日放送のぶらり途中下車の旅『京成線』特集で取り上げられる、成田湯川駅にある和の魅力が素敵なステンドグラス「雲上晴朗」をご紹介します。
今回ご紹介するのは、千葉県にある成田スカイアクセス線「成田湯川駅」。
空港アクセス駅という機能的なイメージの強いこの駅ですが、実は思わず足を止めたくなる“日本らしさ”あふれるアートが隠れているのをご存じでしょうか?
その魅力の中心にあるのが、和の美を纏ったステンドグラス作品。まるで日本庭園の一場面を切り取ったような、美しい世界が広がっています。
駅の静けさに溶け込む、雅な光のアート

このステンドグラスは、成田湯川駅のコンコース内に設置されています。朝のやわらかな日差し、夕暮れの斜光、それぞれの時間帯によって色と表情を変える様は、まさに“動く絵画”。
和紙のような質感を感じさせるガラスの使い方、そして梅や竹、流水文様など、日本の自然や伝統文様が織り交ぜられたデザインは、見る者の心をゆったりと解きほぐしてくれます。
通勤途中にふと目に入って癒されるもよし、成田空港へ向かう前に一息つくもよし。まさに、旅の入り口にふさわしい“和の迎え”がそこにはあります。
駅で見つける、ちょっと特別な時間
成田湯川駅は無人駅ですが、このステンドグラスがあるだけで駅全体がまるでアートスペースのように感じられます。
人混みや喧騒とは無縁のこの場所で、静かに佇みながらステンドグラスを眺めていると、不思議と心が落ち着いてきます。
旅先で出会うアートは、心に強く残るもの。「成田湯川駅のステンドグラス」は、そんな“心の一枚”にきっとなるはずです。
作品によせて
成田高速鉄道アクセス株式会社 代表取締役社長
澤田諄成田国際空港は日本と外国との航空旅客の半数以上が利用している表玄関です。成田スカイアクセスは、成田空港と都心を短時間で接続する鉄道としての役割をもって誕生いたしました。
外国からのお客様が日本への第一歩として利用頂く鉄道駅である、成田空港駅(第1旅客ターミナル)と空港第2ビル駅(第2旅客ターミナル)に、また中間駅の成田湯川駅に、世界・日本・雲をイメージしたステンドグラスや伝統的な陶板によるパブリックアートを設置しました。
さらに旅客の案内・誘導の設備には、日本の文化を感じて頂けるよう和紙や漆を用いた光ゲートを設置するなど、関係者のご支援ご協力を得て、駅と文化の出会いを演出することが出来ました。
成田空港駅を発車すると間もなく、外国からのお客様が目にするのは、印旛沼を含む美しい田園風景です。車窓からの景観を堪能できるよう高架橋の設計も配慮しております。
沿線から見る成田湯川駅と駅前広場、里山となじんだ印旛沼の橋梁のデザインなど、成田スカイアクセスが、鉄道のお客様のみならず沿線地域の方々からも受け入れて頂けるようにデザインしました。
建設に携わったものとして、建設費を低減した中でのささやかな「アート」と感じて頂ければ幸せです。
出典:日本交通文化協会
作品データ

- 原画・監修:篠原修・南雲勝志
- 企画:日本交通文化協会
- 場所:成田高速鉄道アクセス成田スカイアクセス線 成田湯川駅コンコース マップ:製作:南雲勝志、クレアーレ熱海ゆがわら工房
- 設置時期:2010年 2月1日
- 協賛:日本宝くじ協会
- サイズ:縦4.3m × 横8.7m
最後に
旅の途中に、ほんの少しだけ立ち止まって。成田湯川駅の光と和のアートに、出会ってみませんか?
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