「出身中学一覧」だけじゃ物足りない――そう感じる方に捧げる東洋大姫路野球部の深掘り記事です。2025年ベンチ入り全選手の出身地域を県別に整理し、どれだけ県外出身がいるのかを見える化しました。
その上で、中学時代にどのリーグ(ボーイズ・ヤング・シニア)で活躍していたのか、中学→高校で開花した代表選手の経歴も併せて紹介します。
この記事を読めば、チームの育成戦略とスカウトの狙いが確かな根拠とともに浮かび上がるでしょう。
目次
2025年ベンチ入りメンバー出身中学一覧表

背番号 | 氏名(学年・守備) | 出身中学 | 中学リーグ |
---|---|---|---|
1 | 木下 鷹大さん(3年・投手) | 市島中学(兵庫) | 氷上ボーイズ |
2 | 桒原 大礼さん(3年・捕手) | 広畑中学(兵庫) | 兵庫加古川ヤング |
3 | 木村 颯太さん(3年・内野) | 平城中学(奈良) | 奈良西リトルシニア |
4 | 渡邊 拓雲さん(3年・内野) | 今津中学(大阪) | 東成リトルシニア |
5 | 鈴木 蓮音さん(3年・内野) | 狭山南中学(大阪) | 住吉ボーイズ |
6 | 高畑 知季さん(3年・内野) | 波賀中学(兵庫) | 龍野ボーイズ |
7 | 白鳥 翔哉真さん(3年・外野) | 桑田中学(岡山) | オール岡山ヤング |
8 | 木本 琉惺さん(3年・外野) | 学文中学(兵庫) | 尼崎北リトルシニア |
9 | 見村 昊成さん(3年・外野) | 福田南中学(岡山) | 倉敷ビガーズヤング |
10 | 阪下 漣さん(3年・投手) | 浜脇中学(兵庫) | 兵庫西宮ボーイズ |
11 | 森 皐葵さん(3年・投手) | 広畑中学(兵庫) | ヤング姫路アイアンズ |
12 | 峰松 紘大さん(2年・捕手) | 江北中学(佐賀) | 佐賀ビクトリー |
13 | 瀬口 稜介さん(1年・捕手) | 生光学園中(徳島) | 生光学園中ヤング |
14 | 高田 瑠心さん(3年・内野) | 豊富中学(兵庫) | 播磨ボーイズ |
15 | 渡邊 裕太さん(2年・内野) | 宝殿中学(兵庫) | 兵庫加古川ヤング |
16 | 國武 球磨さん(3年・内野) | 江北中学(佐賀) | 佐賀ビクトリー |
17 | 松本 蒼生さん(3年・投手) | 夢前ヤング(兵庫) | 兵庫夢前ヤング |
18 | 西垣 虎太郎さん(3年・投手) | 千里丘中学(大阪) | 大阪柴島ボーイズ |
19 | 城下 雄飛さん(3年・投手) | 朝日中学(兵庫) | 姫路市立朝日中 |
20 | 諸戸 陽風さん(3年・外野) | 清和台中学(兵庫) | 兵庫伊丹ヤング |
県内 vs 県外 出身中学別選手比率

県内選手と県外選手の人数・割合比較
2025年のベンチ入りメンバー20人のうち、兵庫県出身者は13人、県外出身者は7人でした。これは、県内選手が65%、県外選手が35%という構成になっています。
この割合から見えてくるのは、地元兵庫の育成力を軸にしつつ、県外からも優秀な選手を確実に確保している東洋大姫路の戦略です。
地元での信頼ある若手育成と、岡山・大阪・佐賀・徳島・広島などからの選手獲得を両立させることで、チームの安定性と競争力が高まっていることがうかがえます。
県外出身選手の地域別分布
県外出身の7選手を地域別に分けると、岡山県出身が2名、大阪府出身が2名、さらに佐賀県が2名、徳島県と広島県がそれぞれ1名となっています。特に岡山・大阪からの採用が多く、近畿圏と中国・九州エリアも包含するスカウト網が垣間見えます。
- 岡山:白鳥翔哉真さん(桑田中学)、見村昊成さん(福田南中学)
- 大阪:木村颯太さん(奈良西リトルシニア)、西垣虎太郎さん(大阪柴島ボーイズ)
- 佐賀:峰松紘大さん、國武球磨さん(両者とも佐賀ビクトリー)
- 徳島:瀬口稜介さん(生光学園中ヤング)
- 広島:實光快斗さん(広島北ボーイズ)
この分布からは、西日本全域から選手を選抜している柔軟なスカウト力が見て取れます。単に「地元を中心に」といった範囲ではなく、多様な地域からの人材登用によってチームの幅が広がっていることが明確です。
県外注目選手の中学経歴と育成ストーリー
白鳥 翔哉真さん(岡山 桑田中学)

白鳥さんは岡山市立桑田中学出身で、中学時代はオール岡山ヤングに所属していました。高校では外野手として脚力と守備力を生かし着実に成長しています。
見村 昊成さん(岡山 福田南中学)

見村さんは倉敷市立福田南中学で育ち、倉敷ビガーズヤングに所属していました。中学時代は捕手でしたが高校では外野手に転向し、打撃と守備能力を高めています。
峰松 紘大さん(佐賀 江北中学)

峰松さんは佐賀県の江北町立江北中学出身で、中学時代は佐賀ビクトリーに在籍。九州出身者ながら東洋大姫路に進学し、2年生ながら捕手として活躍しています。
県外スカウト戦略としての育成方針

岡田監督の意図と全国選手採用への転換傾向
岡田龍生監督は、かつて履正社高校で甲子園優勝を遂げた後、2022年に母校・東洋大姫路の監督に就任しました。
かつてのスパルタ指導から選手の自主性を重視するスタイルへと指導法を変え、練習内容や環境も現代の高校生に合わせて日々アップデートしています。
監督就任後、県外からの選手獲得を強化し、岡山、大阪、佐賀など地域を越えたスカウト網を構築。地元育成と高度なスカウティングを組み合わせることで、チームの成長を促しています。
県内出身者比率とのバランスから見るスカウト力
2025年ベンチ入りメンバー20名中、兵庫県出身が13名(約65%)、県外出身が7名(約35%)という構成です。
この数字は基盤として地元育成力を重視しつつ、全国から優秀な人材を受け入れる柔軟なスカウト力を象徴します。
県外出身選手が占める割合が安定している一方で、地元選手によるチームの基盤も維持されており、この両立が同校の競争力を高める大きな要因です。
OBプロ進出・大学推薦などの育成実績
東洋大姫路高校は、多くのOBをプロ野球選手や大学推薦入学者として輩出してきました。
主な卒業生には、甲斐野央(ソフトバンク→埼玉西武)や乾真大(日本ハム→巨人)、松葉貴大(オリックス→中日)といった選手がおり、これらの実績は育成の確かさを示す証拠です。
また近年では、東洋大学などへのスポーツ推薦を受けた選手も一定数存在し、学業と競技を両立できる校風が根付いています。
県外出身者でも進路実績を残せている点は、監督とスタッフの育成方針が選手個々の実力を伸ばす環境を整えている証左です。
他校との比較分析:東洋大姫路 vs 報徳学園など

報徳学園など強豪校の出身中学地域傾向との比較
報徳学園高校野球部の2025年春季大会ベンチ入りメンバー情報によると、兵庫県内出身選手は13名、県外出身選手は5名で、その割合はおよそ県内72%、県外28%となっています。
県外出身は主に京都2名、奈良2名、大阪1名と非常に限られており、地元中心の構成が明確です。ライバル校である報徳学園では、地元育成を最優先し、県外選手獲得にあまり注力していない様子が読み取れます。
これに対し、東洋大姫路は県外比率35%と堅実な地元採用を保ちつつ、他県からも積極的に獲得している点が両校の大きな違いです。
「県外選手採用の差」で見える東洋大姫路の特色と優位性
この出身中学の県外比率の差は、東洋大姫路が地元だけでなく全国から優秀な選手を引き入れる“スカウト力”を持つチームであることを示します。
報徳学園が地元偏重型である一方、東洋大姫路は岡山・佐賀・大阪など多地域から選手を集め、成長の土台を多様化しています。多彩な背景を持つ選手が融合することで、チーム全体の競争力や適応力が向上し、さらなる戦力アップにつながります。
この戦略は、ライバル校との差別化だけでなく、全国レベルでのスカウト・育成基盤を築くうえでも大きな優位性と言えるでしょう。
地元中学生・保護者への参考メッセージ

県内中学校出身選手が多い中学紹介
東洋大姫路には兵庫県内からの出身者が多数います。
特に、氷上ボーイズ(市島中学)、兵庫加古川ヤング(広畑中学・宝殿中学)、播磨ボーイズ(豊富中学)などは複数選手を輩出しており、いずれも複数の選手がチーム合格している中学です。
これらの中学校に在籍していた生徒は、東洋大姫路への進学実績を知り、自分たちの中学でも可能性があると感じやすいでしょう。
他にも尼崎北リトルシニアや兵庫伊丹ヤング、龍野ボーイズなども地元選手の採用歴があり、地域密着型の育成ルートとして信頼されています。
これらの中学はチームや指導経験も豊富で、将来東洋大姫路へ進む選手が育ちやすい環境として知られています。
「県外の中学からでも進学例あり」を具体的な選手名で提示
岡山県や佐賀県など、遠方からでも東洋大姫路へ進学した選手がいることは大きな希望です。
白鳥翔哉真さん(岡山市立桑田中学出身)はオール岡山ヤング所属で、中学時代から活躍して高校外野手として飛躍しました。
見村昊成さん(倉敷市立福田南中学)は倉敷ビガーズヤング所属、捕手から外野手へ転向後打撃面で注目を浴びています。
さらに峰松紘大さん(佐賀県江北町立江北中学出身)は佐賀ビクトリー出身で、九州出身ながらチーム捕手としてベンチ入りを果たしました。
このように県外出身でもしっかり活躍できる実例があることは、遠方の中学生や保護者にとって大きな背中を押す情報となります。
進学ルートと所属チームの選び方
東洋大姫路への進学を目指すなら、以下のポイントを参考に所属チームや中学を選ぶとよいでしょう。
まず、兵庫県内では氷上ボーイズ、播磨ボーイズ、兵庫加古川ヤングなどからの進学実績が多く、東洋大姫路と疎通がありスカウト対象になりやすいです。
県外の中学生は、オール岡山ヤング、倉敷ビガーズヤング、佐賀ビクトリー、生光学園中ヤング(徳島)など、実例があるリーグに所属することで注目される可能性が高まります。
また、所属チームでは試合や大会で実績を出すことや、アピール性のあるプレースタイルが評価につながります。
さらに、岡田監督の全国スカウト方針に関連して、「全国レベルで活躍できる選手を評価する」という意志が強いので、県外でも実力が認められれば選抜対象となります。
自分に合ったリーグを選び、実績と積極的な情報発信を意識することが道を開く鍵となります。
まとめと考察—東洋大姫路のチーム強化と育成力
出身中学データから読み取れる育成・スカウト戦略の全体像
2025年のベンチ入りメンバー構成を通じて、東洋大姫路は地元兵庫だけでなく、岡山・大阪・佐賀・徳島など全国から選手を選び育てる戦略が鮮明です。このバランスが同校の強さを支えており、中学出身地が育成方針の証明となっています。
今後注目すべき新入部員や次世代選手への期待と展望
今後は県外出身選手の活躍がさらに注目されそうです。特に見村さんや白鳥さん、峰松さんのような成長曲線が、新たな後輩たちへの進路の道標になっていくでしょう。此外、他県からも注目選手が加わることで、東洋大姫路の戦力はさらに充実する可能性があります。