それっぽいサイトでよい、は自分で外した

午後2時前、自分の会社のサイトが止まっていた。
リニューアルは進めている。進めているのに、伝えたいことがまったくない。適当に、それっぽいサイトができればよいと思っていた。でも、ビジョンがないと、それっぽいサイトもできない。そこまで書いて、これまでの話から、それっぽく見える骨組みを出してほしいと頼んでいる。
止まった理由を、技術の問題としては書いていない。言葉がない。それだけだった。自分の中に、その日言える文章はなかった。過去の会話のほうに、それっぽく見える材料が残っていないか、と頼んでいる。頼んだ時点では、骨組みはまだ自分の外にあると思っていた。
最初の仮説は、自分で外している。中身が固まっていなくても、見た目がそれらしくなれば進む、と思っていた。書いてみて、すぐ引っかかる。ビジョンがないと、それらしいものまで届かない。適当でよい、は、その午後の初めに一度置いて、同じ文のなかで撤回している。
沿革を探して、ページごと疑った

沿革のページも、いったんは残そうとしていた。わざわざ載せるようなことがない、とは自分で書いている。そのうえで、過去の記録を開いて、載せられそうな出来事がないか探している。探したあとに、問いのほうが変わった。これ、沿革のページは要るのか。必要ない気がしてきた。
あいさつを残したまま、1枚へ倒した

要らない、と決めきった文ではない。気がしてきた、だ。出来事を探す作業から、ページ自体を疑うほうへ、その場で移っている。移るまで、10分も経っていなかった。
そこから先は、さらに小さくなった。
テーマを使わなくてもよい気がしてきた。構成は、かなり小さいものでよい。1ページでも構わない気がする。載せたいのは、運営しているメディアと、会社の概要くらいだ。
代表のあいさつは、載せたい。ただ、伝えたい内容が思いつかない。無くてもよいかもしれない。
その一文のなかに、気持ちが三つ入っている。掲載はしたい。内容が思いつかない。無くてもよいかもしれない。どれか一つに決まる前に、小さくするほうへ進んでいる。器をかなり小さくする、という感じも、このあたりで出ていた。見た目を足す話ではなかった。足す言葉が無いので、入れる場所のほうを減らした。
数日前の夜は、逆の置き方をしていた。載せたい、と先に名前を置いたのが、運営しているメディアと、代表のあいさつだった。あいさつの文面は、その夜には出ていない。見た目の話には、まだ入っていなかった。
10月1日の午後は、あいさつの不在が、ページを残す理由にならなくなっている。載せたい気持ちは残っている。言葉がないので、ページごと無くてもよいかもしれない、に寄った。寄っただけで、消すと決めた記録にはなっていない。
同じ午後、作り方でも一度聞いている。テーマで1ページだけ作るのと、HTMLを1枚書くのと、どちらがよいか。聞いてから数分で、自分で書き直している。HTMLの1枚に方針を変える。仕様も、そちらへ直す。
沿革が要らなくなったときと同じ速さだった。聞いてから数分で、小さいほうへ自分で倒している。
方針を変えたあとは、同じ場所で構成を疑い続けるのをやめている。制作は、別の作業へ移した。移した先は、本番そのものではなかった。夕方には、そこがほぼ終わっている、と書いている。
夕方には、「十分だ」と書いていた

夕方の17時41分には、こう残している。HTMLの1枚で十分だと分かった。別の場所での制作は、ほぼ終わっている。10月3日に公開する。
午後2時の「まったくない」と、夕方の「十分だ」は、同じ日にある。伝えたい文章が、そのあいだに新しく書けた記録は残っていない。載せられない部分を外したら、残ったものが1枚に収まった。作業が進んだ。その感触を、十分だ、と書いている。
3日に出す、と決めた時点では、まだ出していない。公開まで、間が一日ある。その一日で、あいさつが書けるかもしれない。書けるかどうかは、17時41分の予定には入っていない。そこにあるのは、1枚のまま出す、という予定だった。
分かった中身を、あとからビジョンができた日にはしたくない。ページを減らしたら、止まっていた手が動いた。伝えたい文章が見つかった記録は、その夕方には無い。
あいさとを外すかもしれない、は午後の文のままで、夕方に解消されたとも書いていない。会社の概要に何をどこまで書くかも、閉じていない。載せたいものは「くらい」でまとまっている。くらい、の内側は、まだ広い。
あの夜に置いた役割は、仕事の受付にしない、だった。見に来た人へ信頼を渡す、というほうだった。この日は、信頼が増えるかどうかを測っていない。測る前に、載せる量のほうを減らしている。減らした1枚が、あの夜の役割に足りるのかは、まだ公開前だった。
仕事やサイトのことで迷った記録は、こちらにまとまっている。
