期限切れのコンビニ弁当でお腹を壊した日に、それでも厨房へ向かった

暮らしと道具

朝、起きて朝食を食べたら、お腹の調子がとても悪くなった。

水状の便が出て、腹が痛くて、吐き気もあった。一つなら、寝起きの不調で済ませられたかもしれない。三つ揃うと、頭の中で先に名前が浮かぶ。食あたりかもしれない、と思った。

食べたのは、コンビニの弁当だけだった。それだけなんだけどな、という感じが先にある。夜中にどこかへ食べに行ったわけでもない。変わったものを足した記憶もない。朝の食事が、コンビニの弁当だった。期限を見てやめて、別のものを食べる、という分岐は、その朝にはなかった。

その朝の眠りは、夜の10時半から朝の6時まであった。寝不足で崩れた、という説明は、このお腹には使いにくい。寝てはいた。そのうえで、朝食のあとに崩れた。

期限は、見えていた

弁当の蓋に手をかけている。日付の印字はぼやけて読めない。

消費期限は、2日ほど過ぎていた。

思い出すと、そこで苦笑する。過ぎているのは、食べる前から見えていた。見えたうえで、開けている。2日ほど、と自分で小さく言いたくなる。小さく言ったあとに、苦笑が来る。

味がおかしかったかどうかは、自分でも切り分けていない。残っているのは、期限と、食べたあとの症状だけだ。ひどいものを食べたつもりはない。コンビニの弁当だ。その「つもり」と、身体の返事は、別々に動いた。

この時点では、原因はあの弁当だと思っている。他に当てはまるものが、すぐには見つからなかった。期限が切れていたことと、食べたあとに症状が出たことが、同じ朝に並んでいる。並んでいるから、食あたりかもしれない、まで来ている。

確かめたわけではない。病院にも行っていない。便の様子を、誰かに見せたわけでもない。名前が先に浮かんだだけで、名前が確定したわけではない。

「かもしれない」が残っているのも、そのせいだと思う。食あたりだった、と断定すると、期限の2日だけで説明が閉じる。閉じていない。他の可能性を、ちゃんと並べたわけでもない。ただ、弁当以外が思い浮かばなかった。思い浮かばないことと、原因が一つに決まることは、別のはずなのに、その朝は近かった。

結論より先に、厨房があった

夕方、厨房へ入っていく後ろ姿。奥に店内の明かりがある。

午後になっても、その感じは残っていた。

症状は朝から出ている。それをちゃんと言葉にしたのは、もう夕方に近い時間だった。仕事の直前まで、お腹の話は、頭の中だけで回っていた。

仕事は夕方から、回転寿司の店の厨房だった。休む、という判断には、この日はなっていない。気合を入れる、と自分に言って、モンスターを開けた。

全部は飲まなかった。この飲み物は、飲むとトイレが近くなる。玉に瑕だとは、飲む前から分かっている。お腹がすでに悪い日に、そこへさらに足すのは、あとから見ると筋が悪い。それでも、厨房へ入る前の自分には、少し目を覚ましておく必要があった。缶は途中で止めた。気合と、途中で止める判断が、同じ数分の中にあった。

休むかどうかは、比べていない。気合を入れる、のほうへ進んだ。お腹が悪い日の出勤を、正しいとも間違いとも、その時点では自分で言っていない。言わないまま、店に向かっている。

症状を言葉にしたその足で、現場へ向かうほうへ移っていた。食あたりかどうかの結論より、出勤のほうが先に来ていた。

行きたくない朝に、それでも仕事へ向かった日のことは、前に書いている。あのときの理由は、神経の疲れだった。今日は、行きたくない、より先に、お腹が悪い、があった。向かったことだけは、似ている。

店を出たあとも、原因は弁当のままだった

夜の小さな食卓。軽い食事と、水の入ったグラス。

店の中でお腹がどうだったかは、残っていない。

良くなったとも、悪化したとも、夜の自分は言っていない。厨房で何時間立っていたか、トイレに何回立ったかも、覚えていない。夜、店を出たあとには、軽く食事を摂っている。食べられたから治った、とまでは言えない。食べた、というところまでしか分からない。軽い食事にしたのが配慮なのか、ただ腹が減っていたのかも、分からない。

まだ分かっていないことが、いくつかある。

本当に弁当だったのか。2日という遅れが、どこまで効いたのか。同じ弁当を期限どおりに食べていれば、何も起きなかったのか。水分は足りていたのか。翌日まで残ったのか。この夜の時点では、そこを追っていない。

一つだけ、その場の感覚として残っている。自分の中の「まあ、これくらい」は、期限の2日を小さいものとして扱っていた。身体は、その扱いを採用しなかった。

次に同じ棚の前に立ったとき、2日過ぎたものをまた手に取るかどうかは、この日は決めていない。決める前に、夕方の厨房へ入っていた。入ったあとも、決めないまま夜になっている。

夜になっても、原因の見直しはしていない。弁当だったかもしれない、のまま、日付が変わっている。お腹がどう落ち着いたかも、自分では追っていない。良くなったとは言えない。悪いまま寝たとも言えない。分からないところは、分からないまま朝を迎えている。

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「しゃとん’s EYE」を書いています。Web制作の仕事をしながら、生活の途中で感じたことと、ELDEN RING NIGHTREIGNのソロ攻略を記録しています。海と、深夜に考えごとをする時間が好きです。

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