「今日やること」を、毎朝デイリーノートへ手で書き写さずに済ませたい。
そう考えて、AIエディターのCursorからGoogleの予定を読めるようにし始めた。最初はGoogle Calendarさえつながれば終わると思っていた。今日の予定も、今日が期限の作業も、自分の中ではどちらも「今日やること」だったからだ。
ところが、接続後に表示されたのは時間の決まった予定だけだった。会議と勤務は見えるのに、支払いや入力、請求書作成などは出てこない。
「あれ?」
そこで初めて、普段は一緒に見えていたものが、別々の場所に保存されていると気づいた。予定の正本、つまり最後に信頼する記録はGoogle Calendar、期限のあるToDoの正本はGoogle Tasks。似て見えても、AIから読むには別々の入口が必要だった。
予定とToDoは、同じ「今日」ではなかった
私は一日の記録を、ノートアプリのObsidianにあるデイリーノートへ集めている。外出先とPCで別のAIを使うようになってからも、最後に戻す場所は一つにしてきた。
その運用を作り始めた夜のことは、以前の記事に書いた。
今回は、そのノートに「今日やること」をどう持ってくるかの話だ。
Calendarに入るのは、開始時刻と終了時刻を持つ予定だ。一方、Tasksに入っていたのは、その日までに終えたい作業だった。会議は「正午から」、帳簿入力や請求書は「今日中に」と考える。
自分の頭では同じ一覧に入っていたが、性質は違っていた。カレンダーだけ読めば一日を把握できる、という最初の仮説が間違っていた。
Google Calendarにつながっても、Google Tasksは読めなかった
Google Calendarは、AIから外部サービスを扱うための公式MCPを使って比較的すぐに接続できた。これで終わったと思ったが、Calendar側からTasksは取得できなかった。
調べると、Tasksは別のAPIで動いていて、別の連携が必要だった。公式のTasks用MCPは見つからず、コミュニティ製の仕組みをローカルで組み立てることにした。
ここからは思っていたより長かった。Google CloudでOAuthを設定し、テストユーザーを登録する。途中でパッケージ取得とトークン交換の両方で証明書エラーが出た。設定を一つ直せば終わると思うたびに、次の場所で止まった。
最後はローカル環境のTLS検証を一時的に緩めて接続した。ただ、これは安全性を下げるため恒久的な解決策ではなく、そのまま人に勧められる方法でもない。証明書まわりを正しく直す宿題は残っている。
それでも認証が通ると、期限がその日になっていたToDoが5件表示された。会議だけだった「今日」に、入力作業や請求書、月次の確認が戻ってきた。
AIに覚えさせるより、正本を読ませたかった
少し前、AIに残りのタスクを整理させたら、いちばん力を入れているプロジェクトが一覧から消えたことがあった。AIのミスというより、渡した会話の中に材料がなかったことが原因だった。
この経験があったので、今回はCursorに予定やToDoを覚えさせたかったわけではない。AIが会話から推測して一覧を作るのではなく、自分が使っている正本をそのまま読んでほしかった。
両方につながったことで、少なくとも期限のあるものは毎回説明し直さずに済む。ただし、Google Tasksへ登録していない長期プロジェクトや、期限を付けていない考えごとは出てこない。
仕組みが正確に読めることと、正本の中身が十分であることは別だ。この点は、まだ運用しながら確かめる必要がある。
自動化したかったのは、転記より「思い出すこと」だった
カレンダーを開き、ToDoを開き、デイリーノートへ書き写す。数分で終わる作業でも、抜けがないかを何度も考えると、頭の中に小さな未完了が残る。
以前、仕事量よりも、優先順位を何度も考え直すことに疲れていると気づいたことがあった。
今回減らしたかったのも、同じ種類の負担だと思う。転記にかかる数分ではなく、「何か忘れている気がする」と確認する時間。その確認をAIへ任せ、私は表示された内容を見て、その日に本当にやることを決めたい。
ただし、順番までAIに決めてもらうつもりはない。予定と期限を集めることは任せられても、体調や仕事後の余力まで含めて今日の量を決めるのは、自分の役割だ。
一つにまとめる前に、役割を分ける必要があった
最初は、全部を一つのツールへ集めれば管理が楽になると思っていた。実際には、一つに見せるために、先に役割を分ける必要があった。
時間の決まった予定はCalendar。期限のある作業はTasks。その日の記録と振り返りはObsidian。Cursorは、それらを読んで一日の入口を作る。
まだ定常運用は始まったばかりだ。デイリーノートを切り替えたあとに当日分を取り込む流れが続くか、期限のない仕事をどう扱うか、証明書の問題をどう直すか。分からないことは残っている。
それでも、「AIに今日のことを全部覚えてもらう」という曖昧な期待からは一歩進めた。
覚えてもらうのではなく、正しい場所を読んでもらう。
その違いが分かっただけでも、今回つないだ意味はあったと思う。


