朝の3時37分に残したのは、短い一行だった。本睡眠、21時30分から3時30分。
6時間ある。日付はまたいでいる。自分では、この眠りをその日の本睡眠と置いた。残っているのは、夜から明け方までの6時間を、本体の眠りにしたことだけだ。
3ヶ月分の平均を頼んで、感想は書いていない

起きてから1時間もたたないうちに、別のことを頼んでいる。4時32分、ここ3ヶ月の、1日あたりのタバコの本数の平均を計算してほしい、と書いた。3ヶ月分がそろっている前提の聞き方だった。
返ってきたのは、日ごとの本数が残っている区間が、頼んだ期間より短い、という話だった。平均の数字を見て、どう思ったかは書いていない。吸った本数も、この朝のメモにはない。
本数を一日ずつ残し始めた日のことは、前に書いている。
この朝は、その記録で3ヶ月を割れると思っていた。割れるだけの日数は、残っていなかった。平均が出たあとに、その数字を見て何を思ったかは、あとの文には残っていない。今日の本数も、この時点では書いていない。
4時32分に平均を頼んで、次に自分で書いたのは、11時59分の仮眠だった。あいだの約1時間半に、何をしていたかの行は、この日の記録にはない。仮眠の開始は6時、とあとから書いてある。平均を聞いた約1時間半あとに、横になる時刻が来ていた。
同じ6時間を、仮眠と書いた

次の一行は、11時59分だ。仮眠、6時から12時。
こちらも6時間ある。さっき本睡眠と書いたのと同じ長さだ。名前だけが、仮眠になっている。長さで呼び分けた説明は、メモにはない。先に本睡眠を書いた日の、そのあとの眠りだから仮眠、という並べ方には見える。見えるだけで、理由の文はない。
仮眠の終わりは12時、と書いてある。14分後の12時14分に「モンスター」とだけ書いた。起きてから缶を開けるまでに何をしたかは、そのあいだにない。何本目か、のどが渇いたのか、作業を戻すためなのかも、その一言にはない。
夜の23時19分にも、同じ一言がある。日付が変わった6時5分にも、もう一度ある。三回とも、飲み物の名前だけだ。本睡眠の申告は、6時5分の時点ではまだない。だからその1本は、日付を切り替えないまま、前日のノートに残している。
以前、この缶に三つの役割を見ていた。深夜を延ばす1本、朝を起動する1本、昼に戻る1本。そのときは、直近24時間で2本まで、という線も自分で置いていた。
9月29日のメモは、その線の話までは書いていない。役割の名前も、2本までかどうかも、出てこない。残っているのは時刻だけだ。12時14分、23時19分、翌日の6時5分。この時点では、3本目が何を意味するかは、まだ自分の言葉になっていない。
二つの6時間を、自分では足していない。本睡眠の6時間と、仮眠の6時間を並べると12時間になる。徹夜に入る前に、それだけ横になっていた、という合計は、メモの中では書いていない。午後に用事を閉じたあとも、睡眠の行は23時19分のモンスターまで空いている。空いた時間に何をしていたかは、眠りのメモには残していない。
徹夜の朝は「少し眠るかも」だった

午後には、別の用事が動いている。予約、返信、通知の確認。そちらは、眠りとは分けて残す。
日付が変わった7時4分、こう書いてある。本睡眠なし。徹夜。これから少し眠るかも。
「少し」が何時間かは、ここにない。眠るかどうかも、「かも」で止まっている。先に決まっていたのは、これを本睡眠とは数えない、という置き方だった。ノートの日付は、前日のままにしてある。徹夜だと自分で書いて、そのうえで、少し眠るかもしれない、と両方を残している。眠ると決めた文には、まだなっていない。
この「かも」が、あとで何時間になったかは、7時4分の一文には入っていない。
5時間に本睡眠と付いたのは、起きてから

正午すぎの別の一行が、7時から12時を本睡眠としている。5時間だ。仮眠と書いた6時間より短い。名前は、こちらが本睡眠になっている。長さの順で呼んだ、という説明も、ここにはない。
仕事のあと3時間眠って、もう一度作業に戻れた日がある。同じつもりで横になって、そのまま朝まで起きなかった日もある。
あの日々は、仮眠のあとの結果が違った記録だった。この日は、結果の前に、名前の付け方が残っている。6時間を仮眠と書き、徹夜の朝に「本睡眠なし」と書き、起きたあとの5時間を本睡眠と書いている。
7時4分の「少し眠るかも」は、5時間を予告してはいなかった。名前は、眠ったあとに付いた。どの眠りが回復で、どの眠りが翌日の前借りだったのかは、まだ自分では分けていない。
眠り方の呼び方をほかの日と比べるなら、暮らしと道具にまとまっている。



