疲れていても仕事を前に進める方法|AI時代のWeb制作は「全部自分でやる」から変わった

AIとWeb制作

身体が疲れている日は、仕事がまったく進まないと思いがちだ。

パソコンの前に座っても頭が働かない。やるべきことは分かっているのに、どこから手をつければいいのか決められない。少し作業を始めても、すぐに集中が切れてしまう。

私にも、そんな日がある。

以前の私は、まとまった時間と十分な集中力がなければ、大きな仕事には手をつけられないと思っていた。

けれど最近は、仕事の進め方が少し変わってきた。

一人ですべてを抱え込むのではなく、生成AIに考える作業を分担してもらい、自分は判断と確認に集中する。大きな作業を小さな工程に分け、その日にできる部分だけを進める。

その方法なら、万全ではない日でも、仕事を少しずつ前へ動かせる。

「完成させる」ではなく「次に進める状態を作る」

ある日、古いWebサイトのリニューアル作業を進めていた。

最終的な目的は、多数の記事を新しい環境へ移し、サイト全体を再構築することだ。

しかし、いきなり記事移行を始めたわけではない。

まず、公開中のサイトへ影響を与えないためのステージング環境を整えた。次に、プログラムや設定変更の履歴を残せるよう、GitHubを使った管理環境を作った。

その日の作業だけを見ると、サイトの見た目はほとんど変わっていない。

記事もまだ大量には移っていない。訪問者から見れば、何も起きていないように見えるかもしれない。

それでも、仕事は確実に進んでいる。

土台が整ったことで、次からは安全に記事移行を試せる。問題が起きても変更内容を確認できる。失敗した場合にも、元の状態へ戻しやすくなる。

Web制作では、目に見える成果だけが進捗ではない。

次の作業を安全に始められる状態を作ることも、重要な成果なのだ。

大量の作業ほど、最初から全部やろうとしない

今回のサイトには、移行しなければならない記事が大量にある。

以前なら、一つずつ手作業でコピーしようとしていたかもしれない。

しかし、それでは時間がかかりすぎる。単純作業を繰り返すうちに集中力が落ち、入力ミスも増える。作業量を想像しただけで、始める前から疲れてしまう。

そこで、生成AIや開発支援ツールを使って、記事移行を自動化する方針にした。

ただし、最初からすべての記事を一括で移すわけではない。

まずは、内容や構造の異なる記事を10件から20件ほど選び、試験的に移行する。

タイトルは正しく入っているか。本文の見出しや装飾は崩れていないか。画像は表示されるか。カテゴリーやタグは引き継がれているか。新しいURLは正しく作られているか。

少数の記事で問題点を確認し、移行プログラムを修正する。その後、30件、50件、100件と段階的に対象を増やしていく。

この方法なら、大きな失敗を防ぎながら作業を進められる。

一度で完璧な仕組みを作ろうとするのではなく、小さく試して、直して、もう一度試す。

これはWeb制作だけでなく、多くの仕事に使える考え方だと思う。

AIに任せても、人間の仕事はなくならない

生成AIを使うと、作業がすべて自動になるように思われることがある。

実際には、AIへ指示を送ったあとにも、多くの判断が必要だ。

何を移行するのか。何を残さないのか。古いURLから新しいURLへどう転送するのか。検索エンジンからの評価を失わないために、どの情報を記録しておくのか。

AIは案を出したり、プログラムを書いたり、確認項目を整理したりしてくれる。

しかし、何を正解とするかを決めるのは人間だ。

私自身、AIを使うようになってから、作業量が減ったというより、仕事の中心が変わったように感じる。

以前は、手を動かすことに多くの時間を使っていた。

現在は、AIへ依頼し、返ってきた内容を読み、問題を見つけ、次の指示を考える時間が増えた。

作る人から、設計し、判断し、品質を管理する人へ。

Web制作者の役割は、少しずつ変化している。

疲れている日は、判断を減らす仕組みを作る

疲労が強い日は、「次に何をするか」を考えるだけでも負担になる。

だからこそ、作業工程を先に決めておくことが大切だ。

ステージング環境を作る。
履歴管理を整える。
少数の記事で移行を試す。
結果を確認する。
問題を修正して対象を増やす。

順番が決まっていれば、毎回ゼロから考えなくて済む。

生成AIに質問を送っている間は、少し席を離れたり、別の軽い作業をしたりできる。返答が届いたら内容を確認し、次の判断をする。

ずっと高い集中力を維持しなくても、仕事の流れを止めずに済む。

これは、無理をして働き続ける方法ではない。

むしろ、自分の体調に合わせながら、限られた集中力を大切な判断へ使う方法だと思う。

進捗は、派手な成果だけでは測れない

その日は、サイトの基盤整備だけでなく、問い合わせへの返信、新しいページの公開、経理作業なども進めることができた。

一つひとつは、それほど大きな成果には見えない。

けれど振り返ってみると、いくつもの仕事が次の段階へ進んでいた。

仕事は、いつも勢いよく進むわけではない。

体調が良い日に一気に完成させることもあれば、疲れている日に土台だけ作ることもある。

大切なのは、「今日は完成できなかった」と考えることではない。

明日の自分が続きを始めやすい状態を残せたか。

それも、立派な仕事の成果なのだと思う。

AIを使うことで、一人で抱えていた作業を分解し、考える時間と手を動かす時間を分けられるようになった。

疲れている日でも、すべてを諦めなくていい。

小さく進める。仕組みを整える。次に動ける状態を作る。

そうした静かな積み重ねが、やがて大きな仕事を完成へ運んでくれる。

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