疲れていないのに集中できない。足の痛みと向き合いながら未来への投資を進める

人生と仕事

アルバイトを終えて家に帰ったとき、身体全体の疲労感はそれほど強くなかった。

普段なら、仕事を終えた時点で何も考えられなくなり、そのまま横になりたくなる日も多い。しかし、この日は少し余力が残っていた。

せっかくなら、将来につながる作業を進めたいと思った。

私は現在、生活費を確保するために複数のアルバイトをしながら、Webサイトの運営やリニューアルにも取り組んでいる。

日々の仕事は、今日を生活するために必要だ。一方で、自分のWebサービスを育てる作業は、将来の収入や働き方を変えるための投資になる。

だから、少し元気がある夜には、できるだけ何かを積み上げたいと思う。

疲れていないのに、作業へ集中できない

この日は、Webサイトのステージング環境を作る予定だった。

本番サイトとは別に、安全にテーマや機能を試すための環境を用意する作業である。

派手な成果が見える仕事ではない。

画面のデザインが完成するわけでも、売上がすぐに増えるわけでもない。しかし、これからサイトを作り直していくためには欠かせない土台になる。

やることもある程度見えていた。

新しいWordPressを用意する。
本番とは別のデータベースを使う。
検索エンジンに登録されないよう設定する。
外部から簡単に見られないよう認証をかける。

一つずつ進めれば、それほど難しい作業ではない。

ところが、机の前に座っても集中できなかった。

原因は疲労ではなく、足の痛みだった。

身体の一部が痛むと、意識は何度もそこへ引き戻される。画面を読んでいても、設定内容を考えていても、頭の片隅でずっと痛みが続いている。

元気はある。
やる気もある。
時間も少し残っている。

それなのに、作業を始められない。

以前の私は、こういう状態になると、自分の意志が弱いのではないかと考えがちだった。

しかし、集中できない理由が痛みであるなら、気合いで解決しようとするのは少し違う。

サーバー作業は、勢いより確認力が必要

Web制作では、勢いのあるときに一気に進められる仕事もある。

文章を書く。デザイン案を作る。アイデアをメモする。こうした作業なら、多少集中が途切れても、あとから修正できる。

しかし、サーバーやデータベースを扱う作業は違う。

本番環境とステージング環境を取り違える。
古いデータベースを上書きする。
公開してはいけない環境を検索エンジンへ出してしまう。

一つの確認漏れが、大きな問題につながることがある。

だからこの日は、すぐに作業を始めず、少し休むことにした。

これは作業から逃げたのではない。

正しく確認できる状態へ戻るための準備だった。

未来への投資という言葉を聞くと、何かを作ることや、長時間働くことを思い浮かべやすい。

けれど、安全に作業できる状態を整えることも、同じように投資なのだと思う。

完成ではなく、土台だけを作る

少し休んだあとも、今夜すべてを終わらせようとは考えないことにした。

サイト全体のリニューアルには、多くの作業がある。

デザインを決める。
店舗データの構造を考える。
既存の記事を移す。
新しいテーマを設定する。
口コミや検索機能を整える。

考え始めると、いくらでも仕事は増えていく。

そこで、その日の完了条件を小さくした。

安全に作業できる、空のステージング環境を作る。

それだけでよい。

その環境ができれば、次の日から新しいテーマを試せる。設定を失敗しても、本番サイトには影響しない。別のサイトを作り直すときにも、今回の経験を利用できる。

目の前の一作業は小さくても、あとから何度も使える土台になる。

これは、私が目指している働き方にも近い。

毎回一から依頼を受けて、その都度すべてを作る働き方ではなく、一度作った仕組みや知識を、次の仕事にも使える形で積み上げたい。

何も進まない日と、安全に進める日

以前は、作業時間が取れたのに進まなかった日は、無駄にしてしまったように感じていた。

しかし今は、少し違う見方もできる。

痛みがあるのに無理をして、本番サイトで誤操作を起こせば、その修復にはもっと多くの時間が必要になる。

作業を止めて身体を休め、範囲を小さくし、確認できる状態になってから進める。

その判断によって、未来の損失を防げることもある。

進むことには、二つの種類があるのだと思う。

目に見える成果を増やすこと。
そして、失敗しにくい土台を整えること。

前者だけを成果として数えると、休憩や準備は何もしていない時間に見える。

しかし、長く続けるためには後者も欠かせない。

未来への投資は、無理を重ねることではない

私は以前、仕事で無理を重ね、心身の調子を崩した経験がある。

その頃は、できるときにできるだけ進めることが正しいと思っていた。多少つらくても、我慢して続ければ、いつか余裕ができると考えていた。

けれど、無理を積み重ねた先で活動そのものが止まってしまえば、結果的には遠回りになる。

今の私に必要なのは、短期間で大量に進めることではない。

働きながらでも続けられる速度で、自分のサイトや仕組みを少しずつ育てることだ。

足が痛い日は、痛みを無視して走るのではなく、転ばない歩幅に変える。

その日できる最小単位を決め、そこまで進めたら一つの完了として扱う。

それも、将来への立派な投資なのだと思う。

元気があるのに進めない夜は、少し悔しい。

それでも、痛みを理由に自分を責めるのではなく、安全に進められる状態を作る。

未来は、無理をした一日だけで作られるものではない。

今日も続けられる形を選び、それを何度も重ねた先に作られていくのだと思う。

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