引越しのアルバイトを終えた日の夜、疲労感は思ったより強くありませんでした。ただ、足には少し痛みが残っていました。
その日は睡眠時間が短く、朝から体を使う仕事をしていました。それでも一日を無事に終えられたことには、ほっとしました。
家に帰ったら少し休んで、そのあとで自分の仕事を進めたい。そう考えていました。翌日は夕方から飲食店のアルバイトがあるだけなので、午前から午後にかけて、将来につながるWebサイトの作業を進められるはずでした。
ところが、波の予報を見ると、翌朝は久しぶりにサーフィンができそうな条件でした。
そこで私は、迷った末に「波が良ければサーフィンを最優先にしよう」と決めました。
目の前の仕事と、未来のための仕事
生活のために働く時間と、未来の収入につながるものを育てる時間。その両方を持っていると、いつも少し焦ります。
アルバイトをしている間は、自分のWebサイトを育てることができません。問い合わせへの返信をしている間も、新しい仕組みを作る作業は止まります。
どれも必要な仕事なのに、一日が終わったときには「今日も積み上げられなかった」と感じてしまうことがあります。
実際には、目の前のお客様への対応も、生活費を得るための労働も、今を守るために欠かせません。それでも、将来のための作業が進まない日が続くと、足元だけを見て歩いているような気持ちになります。
だから、時間が空くと、できるだけ多くの作業を詰め込みたくなります。
明日は午前中に開発作業をして、午後も少し進めて、それからアルバイトに行こう。そんな計画を立てれば、遅れを取り戻せる気がするからです。
サーフィンは「作業をしない時間」ではない
以前の私なら、サーフィンを選ぶことに少し罪悪感を持ったかもしれません。
やるべきことがあるのに海へ行く。将来のための時間を遊びに使う。そのように考えてしまえば、サーフィンは仕事の邪魔に見えます。
けれど、今は少し違います。
サーフィンは、私にとって単なる娯楽ではありません。海に入って波を待ち、目の前の一本に集中する時間は、仕事やお金のことを考え続けている頭をいったん止めてくれます。
うまく乗れない日もあります。波が小さく、ほとんど何もできずに帰ることもあります。それでも、海へ行ったあとは、心の中に少し余白が戻っています。
その余白があるから、また仕事に向き合えます。
体力を使うのに、気持ちは回復する。思うようにいかないのに、また挑戦したくなる。サーフィンには、効率だけでは説明できない力があります。
だから、波がある日に海へ行くことは、作業をさぼることではありません。長く働き続けるために、自分を整える時間でもあります。
すべてを一日に詰め込まなくていい
もちろん、サーフィンへ行ったあとに、Webサイトの作業もできれば理想的です。
朝に海へ入り、帰宅してシャワーを浴び、食事をして少し休む。そのあとで、ステージング環境の準備を進め、夕方からアルバイトへ向かう。
予定どおりに進めば、充実した一日になるでしょう。
ただし、必ず全部やらなければならないわけではありません。
海から帰って疲れていたら、休む必要があります。足の痛みが強ければ、そもそも入らない判断も必要です。作業が途中までしか進まなくても、それで一日が失敗になるわけではありません。
私は以前、無理を重ねた末に、長く休まなければならなくなった経験があります。
その経験から学んだのは、頑張れる日に限界まで頑張るより、明日も動ける余力を残すほうが大切だということです。
一日の予定をすべて達成することより、生活全体を壊さずに続けること。そのほうが、結果として遠くまで進めます。
自分にとって大切なものを先に選ぶ
仕事には締め切りがあります。問い合わせには返信が必要です。生活費を得るための労働も休めません。
一方で、サーフィンに行ける日は、いつでもあるわけではありません。休みと波と体調が重なる日は、思っているほど多くありません。
だから私は、条件が合った日はサーフィンを最優先にしたいと思っています。
これは仕事を軽く考えているのではなく、自分が何のために働いているのかを忘れないための選択です。
未来への投資とは、Webサイトや収入源を作ることだけではありません。自分の心身を守り、好きなことを続けられる生活を作ることも、立派な未来への投資です。
働くことと、生きること。その順番を取り違えないようにしたい。
波が良ければ海へ行く。そのあとに、できる範囲で仕事を進める。
そんな一日は、効率だけで見れば遠回りかもしれません。それでも、自分らしく長く歩いていくためには、必要な遠回りなのだと思います。