予定どおりにいかないところから一日が始まった
朝、海の予報を見た。
数値だけを見れば、サーフィンができそうだった。そこで実際に海まで行ってみたが、波はほとんど割れていなかった。
前日に身体を使う仕事をしていたため、腕と足には筋肉痛も残っていた。
もう少し波が良ければ入ったかもしれない。しかし、目の前の海と自分の身体を見れば、今日は見送る方がよさそうだった。
予報だけを信じて無理に入ることもできた。
せっかく海まで来たのだからと、自分を納得させることもできた。
けれど、その日は入らなかった。
思い描いていた朝とは違ったが、これは失敗ではない。
現地まで行って確認し、その時点で一番納得できる判断へ切り替えたのだ。
できなかったことではなく、今できることを選ぶ
サーフィンを見送ったことで、午前中の時間が空いた。
そこで、以前から進めていたWebメディアの記事リライトへ取りかかった。
ゲームもしたかったし、身体を動かすためにプールへ行く選択肢もあった。
ただ、ゲームはエネルギーが低い時でもできる。一方、記事を考え、構成を直し、画像を作る作業には、ある程度まとまった集中力が必要だった。
だから、まだ頭が動く時間をリライトへ使った。
目標は三本。
軽いゲームを気分転換として挟みながら進めたところ、健康診断へ出発する前に三本すべて終えることができた。
その日の朝は、予定していたサーフィンができなかった。
けれど、空いた時間を別の価値へ変えることはできた。
予定が崩れた後に何を選ぶかによって、その日の意味は変わる。
健康診断で思いがけない変化が見つかった
午後は健康診断を受けた。
そこで、予想していなかった結果が出た。
これまで問題がなかった視力が、大きく低下していた。
振り返れば、最近は目がかすむことがあった。遠くの信号が見えづらく、乱視のように感じる時もあった。
それでも、疲れやパソコン作業の影響だろうと思っていた。
数字として結果を見せられた時、思っていた以上に変化していることに驚いた。
身体の変化は、自分の意志とは関係なく起きる。
努力すれば防げることばかりではない。
それでも、見つかった後にどう対応するかは選べる。
健康診断を受けた建物に眼科があったため、その場で予約を取った。
原因はまだ分からない。
ただ、不安なまま想像を広げる段階から、検査によって現状を確かめる段階へ進むことはできた。
思い通りにならない出来事にも、対応は選べる
帰り道には、さらに強い雨が降ってきた。
傘を差していても服が濡れた。
翌日も朝から仕事があり、同じような大雨が予報されていた。
雨そのものを止めることはできない。
仕事の日程を簡単に変えることもできない。
しかし、濡れる前提で装備を変えることはできる。
登山用のレインウェアを着る。
長靴を履く。
勤務用の靴や靴下を防水した袋へ入れる。
濡れた雨具を収納する袋を用意する。
もちろん、それでも面倒は残る。
店へ着いてから着替えなければならない。濡れた雨具をどこへ置くかも考えなければならない。
対策をしたからといって、嫌なことが楽しいことに変わるわけではない。
ただ、漠然とした不安を、処理できる具体的な問題へ変えることはできる。
一日は、予定ではなく選択の積み重ねでできている
この日は、最初から最後まで思い通りに進んだわけではなかった。
海へ行ったが、サーフィンはできなかった。
健康診断では、予想していなかった視力低下が見つかった。
帰り道では、雨に濡れた。
夜には、翌朝の大雨出勤を考えて気持ちが重くなった。
それでも、振り返れば進んだことも多かった。
記事を三本リライトした。
画像制作に使う道具の価値を確認できた。
視力低下を知り、眼科の予約を取った。
翌日の雨への装備を決めた。
一日を良い日か悪い日かに分けようとすると、判断に困る。
良いことも、嫌なことも、予想外のことも混ざっているからだ。
だから一日を評価する時は、予定どおりだったかではなく、
起きたことに対して、自分なりに選び直せたか
を見る方が、実感に近いのかもしれない。
人生を思い通りにできなくても、次の選択は残っている
人生も同じなのだと思う。
若い頃に思い描いた生活と、実際にたどり着いた場所は違うことがある。
努力しても続かなかった仕事がある。
大切にした関係が終わることもある。
身体や心が思うように動かなくなることもある。
人生全体を思い通りにすることは難しい。
けれど、何かが崩れた後に、もう一度選ぶことはできる。
海に入れなければ、別の作業を進める。
身体の異変が見つかれば、検査を予約する。
雨が避けられなければ、濡れにくい仕組みを作る。
どれも大きな決断ではない。
それでも、小さな選び直しが積み重なることで、思い通りにならなかった一日は、自分で引き受けた一日へ変わっていく。
人生を完全に支配することはできない。
しかし、起きたことにどう応答するかまでは、すべて奪われてはいない。
予定が崩れた時に、そこで一日を諦めるのか。
それとも、今ある条件の中で別の道を選ぶのか。
自分の人生を生きるということは、思いどおりの未来を手に入れることではなく、思いどおりにならない現実の中で、何度でも自分なりに選び直すことなのだと思う。