AIに作らせたタスクリストから、主力プロジェクトが消えていた|ChatGPT停止後の運用を1日回して分かったこと

AIとWeb制作

先日、ChatGPTのアカウントが突然使えなくなった。異議申し立ても却下され、もう戻らないことが確定した。

そこから数日かけて、開発と記録の道具を組み直している。前日には「書く場所は分けていい、でも育てるファイルは1つに固定する」という原則を立てた。

そのときに考えたことは、こちらに書いている。

原則を決めたのはいいとして、実際に丸一日その運用で動かしてみたらどうなるのか。今回はその1日目の記録だ。結果から書くと、有料プランをひとつ解約することになり、夜にはAIが作ったタスクリストから主力の仕事が丸ごと消えていた。

最初につまずいたのは、自分の契約変更だった

朝いちばんに指摘されたのが、私自身の引き継ぎ漏れだった。

前日、スマホでも使えるようにClaudeの有料プランへ加入していた。ところがそのことを、Cursor側にはまったく伝えていなかった。伝えていないので、当然Cursorのほうは「Claudeは無料プラン」という前提で話を進める。

情けない話だが、これは典型的な失敗だと思う。私は「AIの間で情報を引き継ぐ」ことばかり考えていて、引き継ぐべき情報のなかに「自分がAIに対して何をしたか」が含まれるとは思っていなかった。ClaudeとCursorは勝手に知り合いになってくれない。

そもそもの発端がどういう出来事だったかは、この記事に書いている。

CursorのなかにClaude Opusがいた

そのあと、もっと間の抜けたことに気づいた。

Claudeの有料プランに入ったばかりだというのに、Cursorのモデル選択にClaude Opusが並んでいた。前から使えていたのか、最近増えたのかは分からない。とにかく、その日まで気づいていなかった。

気づいた瞬間は、正直うれしかった。性能の高いモデルがエディタの中でそのまま使えるなら、作業はかなり楽になる。

そのあとで、少し冷めた。それなら、パソコンの前に座っているあいだ、Claudeの有料プランは何のためにあるのか。Cursorはすでに有料で契約している。同じモデルに二重で払っていることになる。

外出先で使うぶんには意味がある。ただ、外出先でのClaudeの使い方は「思いついたことをメモして、あとで持ち帰る」が中心で、そこまで重い処理はさせていない。無料の範囲でも足りるかもしれない。

迷ったが、その日のうちに解約の手続きをした。契約自体は翌月まで有効なので、しばらくは使いながら様子を見られる。

判断が早すぎたかどうかは、まだ分からない。外出先で無料枠に収まるかは、実際に何日か使ってみないと分からないままだ。

開発の二重チェックは、その日のうちにやめた

もうひとつ考えを変えたのが、開発作業の二重チェックだ。

ここでいう二重チェックは、記事やノートの話ではなく、コードや実装方針のほうを指している。サイトの開発をAIに手伝ってもらっているので、書かせたコードや決めた仕様に見落としがないかを、もう一つのAIに見てもらっていた。ChatGPTが出した方針をCursorに見せる、といったやり方だ。会社が違えば癖も違うだろう、という感覚があった。

ChatGPTが止まって、この役割分担が崩れた。そこで最初に考えたのが、Cursorの中に新しいスレッドを立てて、そこへ成果物だけを渡す方法だった。作業の経緯も、そこに至る言い訳も持たせない。実装しているスレッドとは別に、モデルをOpusに指定した監査用のスレッドを用意する。

やってみると、指摘自体は率直で悪くなかった。会社が違うことより、文脈が混ざっていないことのほうが効いているらしい、というのがそのときの感触だった。作業に参加していたAIに「これで合っているか」と聞いても、自分の書いたものを自分で肯定しやすい。

ただ、この方法はその日のうちにやめた。

CursorでOpusを動かすと、動作がかなり重い。実装スレッドと監査スレッドを行き来していると、指摘を待っている時間のほうが増えていく。指摘の質が上がっても、作業そのものが進まないのでは意味がない。

結局、開発は1つのスレッドで完結させる形に戻した。Opusを使うのは、ブログ記事を書くときだけにした。文章のほうは一発の質が結果に効くので、多少重くても釣り合う。

同じ日に、同じ指示文をClaudeとCursorの両方へ渡して記事を書かせる比較もやってみた。出てきたものは、まるで別の記事だった。文章の質そのものより、どの文脈を持っているかで結果が変わる。モデルの差だと思っていたものが、実は文脈の差だったのかもしれない。

夜、タスクリストを作り直させたら、主力が消えた

問題は夜に起きた。

これまでタスクの管理は、全部ChatGPTのスレッドにためていた。もう開けないので、残っている記録から作り直すしかない。

出てきたリストは、見た目にはよくできていた。お客様への返信、返金の確認、支払いの確認。期限のあるものがきれいに並んでいる。

そのときは「ちゃんと整理された」と思った。おかしいと感じたのは、しばらく経ってからだ。

いま自分がいちばん時間をかけているサイトのリニューアルが、1件も入っていない。次に作ろうとしているまとめページの設計も入っていない。急ぎではないが、私にとっては本命の仕事だ。それが丸ごと消えていた。

以前も同じようにタスクを整理してもらったことがある。そのときはうまくいった。

違いは、たぶん材料のほうにあった。あのときは何か月ぶんもの会話の履歴がChatGPTの中に積み上がっていて、そこに全部の話題が入っていた。今回はゼロから作り直したので、材料が直近の会話しかない。

そして直近の会話に出ていたのは、締切のあるものばかりだった。期限がある仕事は、相談として言葉になる。じっくり育てている仕事は、頭の中にあるだけで会話に出てこない。

AIが手を抜いたわけではない。渡した材料の外にあるものは、拾いようがなかっただけだ。

結果的に、抜けた分はObsidianから復元できた。デイリーノートとプロジェクトごとのノートに、これまでの経緯をずっと書きためてある。前日に「正本は1つにする」と決めていたのが、たまたま同じ日に効いた形になった。

もしObsidianまで一緒に失っていたら、これは復元できなかった。ChatGPTが止まったときに完全には慌てずに済んだのは、記録の本体が最初から手元にあったからだ。そう考えると、少し背中が冷えた。

AIの出力をそのまま採用せず、最後は自分の目で見るという話は前にも書いた。あのときは記事の分類だったが、構造は同じだったと思う。

日付の区切りは、カレンダーではなく生活で決めた

細かいところでは、Obsidianのデイリーノートをいつ切り替えるかも決めた。

私は生活リズムが一定ではなく、深夜3時まで起きている日もあれば、朝に寝る日もある。0時を過ぎたからといって次の日のファイルを作り始めると、同じ一日の話が2つに割れてしまう。

そこで、ちゃんと寝て、自分で「日付を切り替える」と言うまでは前の日のファイルに書き続ける、というルールにした。Cursor側にもルールとして書いて置いた。

自分ひとりで書いていた頃は、なんとなくの感覚でやっていた。AIに記録を手伝わせるなら、この「なんとなく」を言葉にしないといけない。曖昧なまま渡すと、向こうはカレンダーどおりに切ってくる。

まだ答えが出ていないこと

1日回してみて、決まったことより、宿題のほうが増えた。

外出先でClaudeの無料枠に収まるかは、まだ検証できていない。解約が早すぎた可能性も残っている。

開発を1スレッドで完結させる形に戻したことで、見落としが増えないかも分からない。今のところは困っていないが、監査を外した影響が出るとしたら、たぶんもう少し先だ。

そして前日から持ち越している問題が、そのまま残った。Cursorにデイリーノートを書かせると、体裁は整うのに、その日の温度が薄くなる。これをどう戻すかは決まっていない。

今のところ思っているのは、AIに任せて楽になる部分と、任せると自分の把握が減る部分は別だ、ということくらいだ。タスクリストは前者だと思っていたが、今回それが崩れた。

次は、育てている仕事のほうを意識的に会話に出してみようと思っている。急がない仕事ほど、口に出さないと存在しないことになってしまうらしい。

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