生成AIの待ち時間に合うゲームとは?3作品を試して分かった「中断しやすさ」の重要性

AIとWeb制作

生成AIを使って作業していると、独特の待ち時間が生まれる。

こちらから指示を送り、AIが調査や処理をしている数分間。長く休憩するほどではないが、画面を眺めながら待つには少し長い。そこで、この隙間に遊べるゲームがあれば、作業時間をもっと快適にできるのではないかと考えた。

『Cell to Singularity』『Chill with You : Lo-Fi Story』『NieR』など、役割の異なるゲームを試してみると、「短時間で遊べるゲーム」と「生成AIの待ち時間に向いているゲーム」は同じではないことが分かってきた。

必要だったのは、数分で一区切りつくことだけではない。AIから返答が来た瞬間に、気持ちを残さず作業へ戻れることだった。

『Cell to Singularity』は放置できても、待ち時間を埋められない

最初に候補になったのは、起動したままでも進行する『Cell to Singularity』だった。

ゲーム内の数値が増え、進化を解放し、ときどき画面を確認して操作する。常に集中する必要がないため、生成AIを使った作業との相性はよさそうに見える。

進行速度を上げてからは、毎日少しずつ進んでいる感覚も戻った。実績コンプリートへ近づいていることにも満足感があった。

しかし、AIの返答を待つ数分間だけ遊ぶ用途としては、少し違っていた。

放置中にも進行することと、短時間だけ能動的に遊べることは同じではない。確認できることがない時間は、ゲームを起動していても結局待つしかない。反対に操作できる要素が増えると、今度はゲーム側へ意識を持っていかれる。

求めていたのは、何もしなくても進むゲームではなかった。AIの返答を待つ間だけ手を動かせて、必要になれば途中でもやめられるものだった。

『Chill with You : Lo-Fi Story』はゲームから作業環境へ変わった

作業を支援する目的で購入したのが、『Chill with You : Lo-Fi Story』だった。

画面の中のキャラクターと一緒に作業し、ポモドーロタイマーやBGMを使って集中を支える作品である。使い始めた頃は、ゲームを起動することが作業開始のきっかけになっていた。

デスクに向かっていても作業へ入れないとき、画面の中に同じように机へ向かっている存在がいる。それだけで、作業を始めるまでの抵抗が少し軽くなった。

ただ、しばらく使ううちにポモドーロタイマーを無視するようになり、BGMも切り、物語への関心も薄れていった。最終的には、ポモドーロを使わないと解除できない実績を進めるために起動する状態になっていた。

ゲームが悪くなったわけではない。現在の作業環境の中で、『Chill with You : Lo-Fi Story』が担当していた役割が変わったのだと思う。

作業開始を助けるゲームから、静かに画面へ置いておく環境へ。そして実績を解除し終えたら、その役割も一区切りになる。

一度役立った方法でも、現在の作業との接続が弱くなったなら、使い方を見直してよい。作業環境は同じ形を維持するものではなく、いま何に困っているのかに合わせて更新していくものなのだろう。

『NieR』は面白いからこそ、待ち時間には向かなかった

一方で、新しく始めた『NieR』には、アクションと世界観の両方に惹かれた。

最初のセーブ地点までが長く、ムービーや会話によって操作できない時間もある。それでも、作品としてはもう少し続けたいと思える面白さがあった。

だからこそ、生成AIの待ち時間用には向かなかった。

AIから返答が届いても、「この戦闘を終わらせたい」「ここまでは物語を見たい」という気持ちが残る。ゲームを中断して作業へ戻っても、意識の一部は作品の中に置かれたままになる。

これは『NieR』の欠点ではない。むしろ、作品へきちんと入り込めている証拠だと思う。

面白いかどうかと、作業の隙間に使えるかどうかは別の評価軸である。物語や世界観を受け取るゲームには、作業の余白ではなく、その作品のための独立した時間を用意したほうが楽しめる。

本当に機能したのは、聞き慣れた雑談動画だった

いろいろ試した結果、実際の作業で最も機能したのは、ゲームではなく以前から何度も聞いている雑談動画だった。

内容を聞き逃しても困らず、重要な結論を追う必要もない。AIから返答が来たら、その瞬間に意識を画面へ戻せる。文章を読む作業とも競合しにくく、音声を止めなくても作業を再開できた。

ここで重要なのは、雑談の内容ではない。「途中で意味を追うのをやめても損をしない」という性質だった。

生成AIを使った作業では、待っている時間よりも、返答を読み、判断し、次の指示を出す時間のほうが重要になる。待ち時間を完璧に楽しもうとして、作業へ戻るときの負荷が大きくなっては本末転倒である。

必要だったのは、待ち時間を刺激で埋め尽くすことではなく、作業との境界を軽く越えられる環境だった。

作業環境を決めるのは「中断後の戻りやすさ」

今回の試行で、生成AIの待ち時間に合うものの条件が見えてきた。

短時間で始められること。途中でやめても損をしないこと。中断したあとに続きが気になりすぎないこと。そして、AIの返答を読むための言語処理と競合しないこと。

これらを満たすものは、必ずしもゲームとは限らない。

『Cell to Singularity』は進行を見守るゲーム。『Chill with You : Lo-Fi Story』は作業開始や空間づくりを支えるゲーム。『NieR』は、独立した時間に深く入り込むゲーム。それぞれに違う役割がある。

待ち時間に何をするかより、返答が来たときに何を手放せるか。

生成AIと一緒に作業する環境では、この「手放しやすさ」が集中を支えている。ゲームを楽しむ時間を削る必要はない。ただ、深く遊ぶゲームと、作業の隙間を支えるものを分ければよい。

ゲームを探したことで、結果的にゲーム以外の答えへたどり着いた。それもまた、自分に合う作業環境を知るために必要な試行だったのだと思う。


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