店を閉めても終わらない支払い|6年リースの冷蔵庫が教えてくれた固定費の重さ

人生と仕事

ようやく終わりが見えてきた

以前経営していた飲食店で契約した、業務用冷蔵庫のリースがあと8か月で終わる。

毎月の支払いは約1万6,000円。契約期間は6年間だった。

店を営業していた頃は、冷蔵庫も仕事に必要な設備だった。売上を作るために使い、その売上からリース料を払っていたので、少なくとも支出と仕事には直接的なつながりがあった。

しかし、店を閉めた後も契約は残った。

もう飲食店の売上はない。それでも、毎月決まった日に1万6,000円が引き落とされる。

使っている冷蔵庫ではあるものの、感覚としては、すでに終わった店の家賃を払い続けているようだった。

そんな支払いに、ようやく終わりが見えてきた。

事業は閉じても、固定費はすぐには終わらない

店を閉めれば、その日からすべての支払いが止まるわけではない。

家賃や光熱費のように比較的早く止められるものもあるが、リースやローン、長期契約は、その後も生活の中に残り続ける。

事業をしていた頃の自分が契約したものを、現在の自分が払い続ける。

それは単なる金銭的な負担だけではない。

毎月の引き落としを見るたびに、終わったはずの仕事が、まだ完全には終わっていないような感覚になる。

店を閉めたという判断自体には納得していても、支払いだけが続いていると、過去から現在へ細い管がつながったままになっているように感じる。

6年間で支払う総額は、およそ100万円になる。

月1万6,000円という数字だけを見ると、それほど大きく感じないかもしれない。けれど、それが72回続けば、生活への影響は小さくない。

固定費の怖さは、一度の支払い額よりも、毎月自動的に未来の選択肢を減らしていくところにある。

リースが終わっても、冷蔵庫は残らない

ただし、リース契約が終われば、そのまま毎月1万6,000円が自由になるわけではない。

契約が終わると、今使っている冷蔵庫は引き上げられる。

生活には冷蔵庫が必要なので、新しいものを購入しなければならない。

手元の資金だけで一括購入するのは難しい可能性がある。そうなると、分割払いやリボ払いを使い、一時的に借入残高を増やすことになる。

だから、リース終了は「来月から急に生活が楽になる」という話ではない。

これまでリース会社へ払っていた1万6,000円を、今度は新しい冷蔵庫の購入代金へ振り替えることになる。

表面的には、毎月の支出額はあまり変わらないかもしれない。

それでも、気持ちは以前より軽い。

同じ支払いでも、終わりが見えると負担は変わる

新しい冷蔵庫が10万円から20万円程度で購入できるなら、月1万6,000円ほどを支払いへ回すことで、1年前後から長くても数年以内には終わる可能性がある。

しかも、支払いが終われば冷蔵庫は自分のものとして残る。

6年間で約100万円を払い、最後には物が残らないリースとは、負担の構造が違う。

同じ月1万6,000円でも、

「いつまで続くのか分からない支払い」

と、

「残額が減り、完済日が近づいてくる支払い」

では、気持ちの重さが違う。

今回の冷蔵庫購入によって、一時的に借入が増えるのは事実だ。

だから、何も問題がないわけではない。購入価格や金利、返済回数は慎重に確認する必要がある。

それでも、支払いの出口が見えている。

そのことが、今の自分には大きい。

過去の失敗ではなく、事業を終えるための費用だった

店を閉めた後もリース料を払い続けていると、「なぜこんな契約をしてしまったのだろう」と考えることがある。

もっと安い冷蔵庫を購入しておけばよかったのではないか。リース以外の方法もあったのではないか。

今の視点から見れば、そう思うこともできる。

けれど、契約した当時には当時の事情があった。

飲食店を始めるには設備が必要だった。一度に大きな現金を用意するのが難しければ、月額で設備を使えるリースは現実的な選択肢になる。

結果として長い支払いになったとしても、その契約があったから店を始められた面もある。

過去の判断を、現在の条件だけで失敗と決めつけることはできない。

この6年間の支払いは、単に無駄だったのではなく、店を始め、続け、そして完全に終えるまでに必要だった費用なのだと思う。

過去の固定費が、現在の資産へ変わっていく

あと8か月で、長く続いたリース契約が終わる。

その後もしばらくは、新しい冷蔵庫の支払いが続くだろう。

だから、すぐに月1万6,000円が浮くわけではない。

それでも、これまでとは違う。

今までは過去の事業に対する支払いだった。これからは、現在の生活で使う、自分の冷蔵庫を購入するための支払いになる。

過去を維持するためのお金から、現在の暮らしを支える資産へ。

同じ金額を払うとしても、その意味は少しずつ変わっていく。

店を閉めてからも残っていた長い後処理が、ようやく終盤に入った。

まだ完全に自由になったわけではない。

けれど、終わりが見えるだけで、人は少し前を向ける。

あと8か月。

その先には、新しい支払いが始まるかもしれない。

それでも今度の支払いには、終点があり、最後には自分の暮らしに必要なものが残る。

そう考えると、以前よりはずっと気が楽なのだ。

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