前日の仕事から帰ると、着替えや片付けもろくにできないまま眠ってしまいました。
途中で何度も目が覚めたものの、身体が重く、そのたびにまた眠りへ戻りました。最終的に起きたのは昼の12時。およそ12時間眠ったことになります。
それでも疲れが抜けた感じはなく、目は覚めているのに、しばらく布団から起き上がれませんでした。
「ずいぶん疲れがたまっているんだな」
そう思いながらタバコを吸っていたとき、以前から感じていたことを、ふと思い出しました。
私はタバコを吸っている時期、いつも身体がだるかったのです。
吸うと目は覚める。でも、身体はずっと重い
タバコを吸うと、一瞬だけ頭が切り替わるような感覚があります。
仕事の前、作業の合間、疲れたとき。一本吸うことで区切りがつき、「もう少し動けそうだ」と感じることもあります。
ところが、一日単位ではなく、喫煙していた期間全体を振り返ると、身体はいつも重く、疲労が抜けにくかった記憶があります。
朝から気だるい。長く眠ってもすっきりしない。何かを始めるまでに時間がかかる。休んでいるはずなのに、身体の奥に疲れが残り続けている。
一本のタバコで一時的に気分が変わっても、生活全体が軽くなったわけではありませんでした。
今回、12時間眠っても動けなかった朝に、そのことを急にはっきりと思い出したのです。
もちろん、今回の疲労がすべてタバコのせいだとは思っていません。
立ち仕事が続き、足にも痛みがあり、睡眠のリズムも整っていませんでした。いくつもの負荷が重なった結果だと思います。
それでも、疲れている身体に喫煙が加わることで、回復しにくい状態を長引かせているのではないか。少なくとも、自分の過去を振り返ると、その可能性は無視できませんでした。
将来の健康より、今日のだるさが理由になった
禁煙というと、病気の予防や寿命の話になりがちです。
もちろん、それらも大切です。ただ、遠い将来の危険だけでは、目の前の一本をやめる理由として弱く感じることがあります。
今回、私の中で禁煙の理由になったのは、もっと身近なものでした。
仕事から帰ったあとに何もできないこと。休んでも疲れが抜けないこと。自分のやりたい作業へ向かう力が残らないこと。海へ行きたいと思っても、身体が動かないこと。
タバコによって失っているかもしれないのは、将来の時間だけではありません。
今日使えるはずだった体力や集中力も、少しずつ削られているのかもしれません。
そう考えると、禁煙は「健康のために我慢すること」ではなくなりました。
私にとっては、身体の回復力と、自分の時間を取り戻すための選択です。
私は『禁煙セラピー』を読んでからやめる
私はこれまで、禁煙をするときに『禁煙セラピー』という本を読んできました。
この本を読み終えるまでは、無理に本数を減らしたり、我慢したりしません。そして、最後まで読み終えた瞬間にタバコをやめます。
過去にも、この手順で何度か禁煙できました。
再び吸うようになった時期がある以上、「完全に成功した」とは言えないのかもしれません。それでも私にとってこの本は、禁煙するかどうかを迷う状態から、実際に吸わない状態へ移るためのスイッチになっています。
だから今回も、禁煙を決意した時点で読み始めます。
大切なのは、本を読むことを禁煙の先延ばしにしないことです。
「読み終わるまでは吸ってよい」を、期限のない言い訳にはしない。読み始めたら最後まで進み、読了した瞬間を今回の喫煙の終点にします。
何度目でも、やめようと思えたことには意味がある
禁煙と再喫煙を繰り返すと、「どうせまた吸うのではないか」と自分で自分を疑いたくなります。
けれど、過去に戻ったことがあるからこそ、吸っていない時期と吸っている時期の違いも分かります。
今回思い出した「喫煙中はずっと気だるかった」という感覚も、両方の状態を経験したからこそ得られた判断材料です。
再喫煙した事実だけを見れば、以前の禁煙は失敗に見えるかもしれません。しかし、吸わずに過ごした期間が消えるわけではありません。その間に感じた身体の軽さや、タバコに縛られない感覚も残っています。
禁煙を始めた瞬間から、すべてが急に良くなるとは考えていません。
ただ、喫煙を続けたままでは、「疲れているのは仕事のせいなのか、睡眠不足なのか、タバコも関係しているのか」が分からないままです。タバコを手放すことで、少なくとも一つの負荷を生活から外し、自分の身体がどう変わるのかを確かめられます。
今回は、タバコを嫌いになるためにやめるのではありません。
疲れを引きずらずに働きたい。仕事のあとにも、自分のために使える力を残したい。海へ行きたい日に動ける身体でいたい。
そのために、もう一度タバコのない状態へ戻ろうと思います。
今回の禁煙は、何かを奪われる決断ではありません。
慢性的なだるさの中に埋もれていた自分の体力と時間を、少しずつ取り戻すための再出発です。