生成AIとのWeb制作は、なぜ止めどきが難しいのか。サイトリニューアルに夢中になった夜

AIとWeb制作

長年運営してきたWebサイトのリニューアルを進めている。

古い記事や画像を整理し、新しいサイト構造を考え、店舗情報の分類方法を見直し、ステージング環境で少しずつ形にしていく。

最近はその作業の多くを、生成AIと一緒に進めるようになった。

コードを書いてもらうこともあれば、仕様を整理してもらうこともある。大量のデータを調査したり、分類方法を検討したり、人間だけでやれば何日もかかりそうな作業を一気に進められる。

便利なのは間違いない。

ただ、実際に使い込むようになって、思っていた以上に難しいことも見えてきた。

それは、作業の止めどきが分からなくなることだった。

一つ直すと、次の問題が見つかる

生成AIとWeb制作をしていると、作業は一直線には進まない。

たとえば、ある表示を修正する。

すると、修正した結果を見て別の問題に気づく。

その問題をAIに伝えて修正してもらうと、今度は関連するデータ構造に違和感が見つかる。

そこを確認しているうちに、そもそもの仕様を変えた方が良いのではないかという話になる。

つまり、

修正する。
確認する。
新しい問題を見つける。
また修正する。

この繰り返しになる。

人間だけで作業していた頃なら、「今日はここまで」と比較的切りやすかった。

ところが生成AIがいると、次の修正をすぐ依頼できてしまう。

「あと一つだけ直そう」

と思った作業から、さらに三つ、四つと課題が枝分かれしていく。

しかも、その一つ一つに何分かかるのかが読みにくい。

5分で終わることもあれば、調査が始まって1時間以上かかることもある。

そのため、作業終了時刻を決めても、なかなか予定通りには終われない。

「完成するまで」が区切りではない

今回、夜通し作業をしていて気づいたことがある。

Web制作、とくに生成AIを使った開発では、

「問題がなくなるまで作業する」ことを終了条件にしてはいけない。

問題はたぶん、なくならないからだ。

一つ直せば、また別の改善点が見える。

それ自体は悪いことではない。

むしろ、サイトの完成度が上がっているからこそ、以前は見えなかった細かな違和感に気づけるようになる。

だから、

「修正点が残っている=今日の作業が終わっていない」

と考えると、いつまでも止まれなくなる。

今はむしろ、

「次に再開できる状態まで到達したら、その作業単位は終わり」

と考えた方が良さそうだと思っている。

変更内容が保存されている。

途中の処理が残っていない。

気づいた問題がメモされている。

次に何をするか分かっている。

そこまでできていれば、課題が残っていても作業は正常に閉じられる。

これは生成AIと長時間作業するうえで、かなり大切な感覚かもしれない。

それでも、止めたくない夜がある

一方で、理屈だけでは説明できないこともある。

今回のリニューアルは、かなり楽しい。

義務感で続けているというより、

「もう少し先を見たい」

という感覚が強い。

古いサイトの情報を整理し、新しい分類を考え、それが実際の画面として少しずつ見えてくる。

長い間止まっていたものが、再び動き始めているような感覚がある。

その日は朝から予定があったので、本来なら早めに作業を切り上げる必要があった。

それでも、なかなか止められなかった。

一晩かけて作ったものが、あと少しでステージング環境に反映できるところまで来ていたからだ。

そこで止めれば、作業そのものは保存できる。

でも、自分の中ではまだ「形になった」と感じられない。

コードや設計として存在しているものが、実際に触れるWebサイトになる。

そこまで行って初めて、一晩の仕事が成果物になるような気がしていた。

人生には、踏ん張った方がいい瞬間もある

無理を続ければ良いとは思わない。

長時間働けば成果が増えるとも限らない。

以前、仕事に力を使いすぎた経験もあるので、頑張ることそのものを美徳にはしたくない。

それでも人生には時々、

「ここだけは少し踏ん張った方が、その後の景色が変わる」

という瞬間がある気がする。

今のサイトリニューアルには、少しその感覚がある。

重要なのは、すべての細かな修正を終わらせることではない。

プロジェクトの状態が一段変わる地点まで進むことだ。

今回なら、

設計している状態から、ステージング上で実際に確認できる状態へ移す。

そこには明確な意味がある。

逆に、反映したあと見つかった細かな余白や文言の修正まで、その夜に全部やる必要はない。

踏ん張る場所を選ぶ。

それが大切なのだと思う。

生成AIは、作業速度だけでなく集中の形も変える

生成AIを使うようになって、Web制作の速度は大きく変わった。

しかし変わったのは速度だけではない。

人間が思考を止める前に、AIが次の作業を返してくる。

だから集中が途切れにくい。

これは大きな強みでもあり、止めどきを失う原因にもなる。

これから必要になるのは、AIをもっと速く使う方法だけではないのかもしれない。

どこまでを一つの作業とするのか。

何を今やり、何を次回へ送るのか。

そして、本当に今踏ん張る価値がある場所はどこなのか。

生成AIと働くほど、そうした人間側の判断が重要になっていく。

AIが仕事を進めてくれる時代だからこそ、最後に必要なのは、

「今日はどこまで進めば十分なのか」を自分で決めることなのだと思う。

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