「自分の筋では、引っ越しに行きたかった」──ダブルブッキングのあと、泣く泣く休んだ日

労働と現実

ダブルブッキングに気がついたのは、勤務の前日だった。

月曜日に、掛け持ちしている二つの仕事が重なっていた。

もともと毎週、引っ越しのほうへシフトを出している曜日だ。

その月曜日に、普段は入らない回転寿司のシフトを出してしまっていた。

自分のなかの筋は、すぐ決まっていた。

回転寿司をキャンセルして、引っ越しに出勤する。

なのに、消したいほうにはすぐ連絡がつかなかった。

仕方なく、引っ越しを休んだ。

心が痛い。

月曜日は、いつも引っ越しのほうだった

月曜日の型として置かれた引っ越し作業の荷物と手袋

掛け持ちしていると、曜日ごとにだいたいの型ができる。

月曜日は、引っ越しの勤務を出す日だった。

回転寿司のほうは、その曜日には普段入らない。

だから今回の重なりは、「両方とも普通に入る日がぶつかった」ではなかった。

いつもの月曜日の上に、普段は出さないほうを乗せてしまった。

原因は、単純だった。

眠くて、ぼんやりしているときに、回転寿司のシフトを提出した。

曜日の型を、そのとき見失っていた。

画面の前では、出せる気がしていたのだと思う。

月曜日だということと、引っ越しが入っていることが、同じ強さでは残っていなかった。

デザインフェスタの予定は、見ていた

イベントの案内と家計のメモ、勤務予定が同じ机に並んでいる

以前、行きたいイベントを確認せずにシフトを出してしまったことがある。

デザインフェスタへ行きたかったのに、バイトを入れてしまっていた日のことは、以前の記事に書いている。

今回は、それとは違う。

デザインフェスタの予定は、事前に確認していた。

間違ってシフトを提出したわけではない。

ただ、今の自分は収支がカツカツだ。

イベントに行くために、バイトを休むわけにはいかない。

見ていた。休む余裕がなかった。

カツカツの感覚は、以前から続いている。

重なった理由は、イベントを忘れたことではない。

眠いときに、いつもの月曜日へ、普段は出さないほうを足してしまったことだ。

筋は、回転寿司を消して引っ越しへ行くこと

雨の外へ向かう人と、室内に残るもう一つの仕事の光

重なりに気づいたあと、自分のなかの筋ははっきりしていた。

回転寿司をキャンセルして、引っ越しに出勤する。

月曜日の型を、そのまま守る。

本音は、少し違った。

その月曜日は台風の予定だった。

台風の日の引っ越しは、正直いって辛い。

できれば休みたい。

荷物は扱いにくくなる。現場の空気も、少しきつくなりやすい。

雨の日の引っ越しが、身体にも神経にも残ることは、以前から分かっている。

雨の前日に、その重さを感じたこともある。

でも、今回は本音より筋のほうが先だった。

休みたい気持ちは本物だ。

それでも、自分のミスで重なったなら、いつもの月曜日のほうへ行く。

それが、その時点での自分の順番だった。

消したいほうは、すぐにつながらなかった

テーブルの上で、つながらない電話のまま置かれたスマホ

回転寿司の店長には、すぐに連絡が繋がらなかった。

しかも、そちらのキャンセルは大変だ。

代わりに勤務する人を、自分で探さなければいけない。

つながっていないと、代わりを探す作業にも入れない。

対して引っ越しのほうは、キャンセルの連絡をするだけで通る。

どちらをキャンセルするにせよ、なるべく早く連絡した方が良い。

気がついたのが前日なら、なおさらだ。

待っていればつながるかもしれない、という気持ちも、一瞬はあった。

でも、消したいほうは動かない。

筋のほうの道が、そこで止まった。

動かせるのは、引っ越し側だけだった。

泣く泣く、引っ越しを休んだ

使われない作業着と手袋。窓の外は台風の雨

仕方ないので、引っ越しをキャンセルした。

泣く泣く、だった。

連絡自体は通る。手続きは軽い。

だから動けてしまった。

動けるほうを動かした、という感じに近い。

心が痛い。

痛みの中心は、休めないことではない。

自分の筋を通せなかったことだ。

本音では休みたかった。

それでも、休み方の順番が気に入らない。

以前、引っ越しの日に、自分で休むと判断したこともある。

あのときは、幸福度のほうを優先した、という選択だった。

自分で「今日は休もう」と決めた日のことは、以前の記事に書いている。

今回は、温度が違う。

休みたい本音はあった。

それでも筋では、行きたかった。

休めたことと、休む形が気に入らないことが、同時にある。

外から見れば、「台風の月曜日を休んだ」になる。

中身は、筋を折ったあとの休みだ。

原因は、眠くてぼんやりしていたこと

深夜、ぼんやりしたままスマホでシフトを提出しようとしている人

ダブルブッキングのミスは、難しい判断を間違えた、という感じではない。

眠くてぼんやりしているときに、回転寿司のシフトを提出した。

それだけだった。

曜日の型も、もう片方の予定も、その瞬間は薄かった。

どうすれば防げるのか。出す前に曜日を口に出すのか。眠いときは提出しないのか。

そこは、まだ試していない。

いま残っているのは、筋と着地のずれだ。

行きたかったほうを休めない。

通るほうだけが、通った。

心が痛い。

次にシフトを出すとき、眠い頭のまま曜日をまたぐかどうか。

そこを、次で確かめる。

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